「神経を取った“のに”歯が痛い」にありがちな誤解

荒井歯科医院 歯科コラム

飯能(飯能市・日高市・入間市)の歯科・歯医者なら荒井歯科医院 歯科コラム

「神経を取った“のに”歯が痛い」にありがちな誤解

「神経を取った「のに」歯が痛いんです…」という訴えでいらっしゃる方がいます。

実はそうではないんです。

神経を取った「から」歯が痛いんです。

 

神経を取るということは、歯の中の神経(専門的には歯髄といいます)を切断して取っているので、歯の中には神経を取ったあとの「切り傷」が残っています。この傷の痛みが、神経を取ったあとでも出るというわけです。その傷が膿んでしまわないように、根の中を無菌状態に近づけるためにするのが根の中の治療です。その治療でこの傷がしっかり治ってくれば痛みは治まります。

 

ただし、その後もまた痛みがぶり返すことがあります。

これは歯の中の神経が通っていた管の中でバイ菌が繁殖して、根っこの先端部分が炎症を起こすためです。この痛みは神経を取った歯でも起きます。いえ、むしろ神経を取った歯だからこそ起きる痛みなのです。

また、歯の周りの歯ぐきの痛みは、歯の中の神経と無関係なので、これも神経を取った歯でも起きます。

つまり、神経を取ってしまえばもうその歯に痛みが出ないというのは誤解なんです。

歯の痛みは大きく分けて3種類あります。

1.歯の中の神経(歯髄)の痛み(歯髄炎)

2.根の先の痛み(根尖病変)

3.歯茎の痛み(歯肉炎・歯周炎)

歯の中の神経を取れば1の痛みはもう起こりませんが、2と3は起こりうるのです。

誤解されていた方は参考にしてください。