いい歯磨き粉の選び方 荒井歯科医院(飯能市・入間市・日高市)
「歯磨き粉はなにを使えばいいんでしょうか?」
という質問はよくされます。
基本的には、「なにも使わないでください」とお答えしています。
歯磨きをする目的は「歯垢(バイ菌のカタマリ)」を歯から落とすことですが、
歯磨き粉を使わずとも歯垢は落とすことができます。
むしろ歯磨き粉を使うことによるデメリットがあるんです。
<歯磨き粉のデメリット>
1.さっぱりして磨いた気になってしまう
目的である歯垢を落とすことがぜんぜんできてなくても、お口の中がさっぱりするのでちょっと磨いただけでも磨いた気になってしまいます。
2.泡が立って長時間磨けない
泡が立ってくるとうがいをしたくなります。一回うがいをするとそこで終了としてしまうことが多いです。
3.歯が削れていく
研磨性の強い歯磨き粉で硬い歯ブラシでゴッシゴシ磨いていると歯がどんどんと削れていってしまいます。
ですが、歯磨き粉がいけないといっているわけではありません。
デメリットを理解して、歯磨きの本当の目的が分かっていれば、歯磨き粉を上手に使うことができます。
歯磨き粉と一口にいってもさまざまな種類のものがあり、目的別に使用する必要があります。私も2種類の歯磨き粉を同時に使っています。
下に、当院で販売している歯磨き粉の種類と特徴を挙げてみます。
◎フッ素入り歯磨き粉(歯を酸に強くする)
最近の歯磨き粉は大抵フッ素が入っています。
フッ素がなぜ歯にいいかというと、歯はもともと酸に溶けやすい成分でできていますが、
フッ素の効果で酸に溶けにくい成分に変化し、虫歯になりにくくなるのです。
当院ではチェックアップ(大人用¥500・子供用¥380)やGCこども用ハミガキ¥190、
研磨剤無配合のチェックアップジェル¥470をご用意しております。
◎MIペースト(カルシウムとリンを補給、酸性になった口腔内を中性に戻す)¥1050
歯の主成分はハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)という物質です。
化学式はよく分からないという方もいらっしゃるかと思いますが、要するにCa(カルシウム)とP(リン)が材料となっています。
このカルシウムとリンを補給してあげることで、歯の再石灰化(溶け出したミネラルが再度吸収される)を促します。
また緩衝能(酸性に傾いた口腔内を中性に戻す働き)があります。
酸性状態だと歯が溶けるためMIペーストを使って中性に戻すのを促すとムシ歯予防に効果的です。
味もミント・バニラ・ヨーグルト・ストロベリー・メロンがあります。
これは市販では売っておりません。
◎ブリリアントモア(白さを保つ)¥950
歯の表面についたステインという着色汚れをピロリン酸ナトリウムが浮かせて落とします。ホワイトニングをしたあとの歯の白さを保ちます。
◎リナメル(歯のミクロの傷の補修)¥2100
歯の表面についたミクロの傷を、ナノ粒子ハイドロキシアパタイトにより補修します。傷があるとそこに汚れがつきやすくなります。その傷を埋めてなめらかにして、汚れのつきにくい表面にすることができます。
◎リペリオ(歯肉炎・歯周病に効く)¥1260
歯ぐきを活性化させる成分が入っていて、歯肉炎・歯周病の方におすすめの歯磨き粉です。
全部使うのは大変なので、歯の状態に合わせて1~2種類を選んで使用するのがいいかと思います。
私はチェックアップジェルとMIペーストを使用しています。この組み合わせだと研磨剤が入っていないので着色が落ちづらいのですが、定期的クリーニングをして着色を落とし、歯垢のつきづらいツルツルの表面を保っています。
<関連記事>
ハブラシの選び方
歯の成分カルシウムとリンを含むのはMIペーストだけ
ホワイトニング後のハミガキコはブリリアントモア
リナメルとリペリオ
なぜ虫歯予防にフッ素を使うのか?