これってボッタクリ?高い保険治療 荒井歯科医院(飯能市・入間市・日高市)
一般的なイメージとして「保険=安い」というイメージがあるかと思います。
実際歯科関係のBBSなどにも
「保険で数万するってボッタクリじゃない?」
といった書き込みが見られます。果たしてなにが本当なのでしょうか?
保険の効く治療には全て「保険点数」というものが国によって決められています。
「保険点数」は1点が10円で、例えば再診料なら42点で、歯医者には420円が入ります。そのうちの3割や1割の負担分が患者さんの窓口負担分になるのです。
その保険点数には、患者さんが思っているよりも高い設定になっているものがあります。
例えば前歯のかぶせものを作る場合。
前歯でも白いかぶせものを保険で作ることができます。
この場合いくつかの点数が定められています。
まず型取りをする日には、再診料・歯を削る代金・型取りをする代金・噛み合わせをとる代金・仮歯を作る代金がかかります。神経がある歯の場合、全部で936点、3割負担で2810円がかかります。
次にかぶせものを歯に装着する日には、再診料・かぶせもの自体の代金・装着する手数料・だめになったときの保険料・セメント料がかかります。全部で1629点、3割負担で4890円がかかります。
つまり1本で7700円かかるわけです。
これが6本になれば、46200円になり、保険でも数万円がかかるわけです。
なんの代金が高いのかというと、削る代金とかぶせもの自体の代金です。あわせて2216点、3割負担で6650円です。
前歯は見た目が重要で、削る形が大事なので、その分削る代金が高くなっています。
かぶせものは金属の裏打ちの上に白いプラスチックを貼り付けるもので、金属の部分は金や銀などの合金でできているため、金属代がかなりかかるのです。アクセサリーが小さいのに高いのと同じです。
ちなみに奥歯の一部に銀歯を入れる処置は、全部で792点で、3割負担で2360円で、前歯のかぶせの3分の1以下の代金です。
しかし患者さんからすると、型取りをして次の回にものを入れて終了というのはどちらの治療でも同じなので、前歯のかぶせものがすごく高く感じてしまうということはあると思います。
他の例としては入れ歯を入れるときもかなりの金額がかかるときがあります。
入れ歯の大きさによって変わってくるのですが、保険の入れ歯でも上下で2万円することもあります。
しかし入れ歯の場合は金額に納得される方が多いように個人的には思えます。
大きなものが入るからでしょうか。
これは私の考えなのですが、一般的に患者さんは「入るものの大きさ」と「かかった手間」によって、その治療の「適正金額」を出している気がします。その「適正金額」よりも高いと感じると「ボッタクリか?」と思い、逆なら「意外と安いね」と思うのではないでしょうか?
「保険点数」は様々な要素をもとに決められており、高くも安くも実際の治療の流れにそぐわない金額になることもしばしばあります。
ただ私もボッタクリ歯医者のうわさは聞いたことがあります。
ひどいものでは上下総入れ歯の方が来院したときに(総入れ歯なので歯は一本もありませんが)、全ての歯があったことにして、全ての歯を抜く点数を取ってしまうという歯医者もあるそうです。
ボッタクリ歯医者も実在する以上、もしあまりに高いなと感じたときには、
「内訳をもらえませんか?」と勇気を出して言ってみるのも1つの手ではないでしょうか。
<関連記事>