«  2011年4月18日  » 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
2011年4月18日

デンターネットなどの書き込みで、

「頼んでもない歯を治療されて、さらに痛みが出て最悪」

のようなものをよく見かけます。

これに対する歯医者側の言い分を書きます。


1.まず「頼んでもない歯を治療されて」のくだりです。

もちろん、虫歯があったとしても、そのことをきちんと説明し、同意の上で治療をしないと下手したら「傷害罪」です。

でも、虫歯は一旦できてしまえば治療しなければ自然治癒することはありません。そのときに治療をしておかなければ必ず進行し、いずれ痛みが出るんです。

「頼んでもない歯を治療されて」と書き込んでいる人はきっと痛みが出た時には、

「あのとき治療してくれてれば痛みがでなかったのに。ちゃんと治療しろよ」

とおっしゃるんでしょう。

歯医者側としたら「頼んでもないのに」ではなくて「虫歯を見つけてくれてありがとう」と思っていただけると幸いです。

2.次に「痛みが出て」のくだりです。

歯の痛みが出る理由はいろいろありますが、その中の一つとして虫歯が深かったということが考えられます。

虫歯を削るのに使うドリル(タービン・コントラといいます)は、削る時に摩擦熱が発生します。そのために水を出して冷やしながら削っているわけです。

虫歯が深すぎるとこの摩擦熱が歯の神経に伝わりやすく、神経が炎症を起こし痛みが出ます。痛みがあまりに強い時は神経を取る必要があります。

じゃあ、虫歯が深かったら全部神経を取っちゃえばいいんじゃないの?と、いうわけにはいきません。神経を取ると歯の寿命は極端に短くなります。

歯を削っている時は麻酔をしていることが多いため、麻酔が切れたあとに痛みが出るかどうかはその場では分かりません。

ですから、なるべく神経を残したい歯医者は、痛みが出ないことに賭けて、神経を取らずに処置を終了するわけです。

この歯医者さんをあなたはヤブ医者と呼びますか?

もちろん、患者さんに痛みを感じさせたくないという思いから、虫歯が深ければ神経を取ってしまうという歯医者さんもいるでしょう。

それはそれで「思い」がありますからいいことだと思います。


歯医者は歯医者でいろんなことを考えてやっています。

どうかそのことはご理解いただければと思います。


上記のような書き込みがされるのは恐らく歯医者側の説明不足や信頼関係の欠如によるものでしょう。

きちんと説明をしてくれて信頼される歯医者でありたいと思います。

https://www.araident.com/

« 2011年4月16日 | メイン | 2011年4月19日 »

Powered by
本サイトにて表現されるものすべての著作権は、当クリニックが保有もしくは管理しております。本サイトに接続した方は、著作権法で定める非営利目的で使用する場合に限り、当クリニックの著作権表示を付すことを条件に、これを複製することができます。

引っ越し

荒井歯科医院 院長 荒井淳次 荒井歯科医院
院長 荒井淳次

http://www.araident.com/

【経歴】
2004年
 東京医科歯科大学
 歯学部卒業
同年
 歯科医師免許取得
 東京医科歯科大学歯学部
 附属病院義歯外来専攻生
2006年
 同外来医員に就任
2008年
 同外来非常勤講師として
 週1日勤務
 荒井歯科医院勤務開始