「定期的に歯医者さんに歯石取りに行きましょう」
日本では歯医者にときどき歯石取りにいったほうがいい、という風潮があります。
しかし、この表現はあまり適切ではありません。
まず、歯石とはなんなのでしょうか?
歯には毎日「歯垢(しこう)」(プラークともいう。歯垢は食べかすではなく、生きた細菌のカタマリ)がこびりつきます。
その「歯垢」に唾液中のカルシウム分がくっついて、石のように固まったものが「歯石」です。
実は歯石自体は歯に対して悪さをしません。歯に悪さをするのは「歯垢」の中の細菌です。
じゃあなんで歯石をとったほうがいいかというと、表面はごつごつしていて中はすかすかなので、細菌のかっこうの棲み家になってしまうからです。
話は戻りますが、「定期的に歯医者さんに歯石取りに行きましょう」
が、なぜ適切ではないかというと、
「歯石をとっただけでは歯の病気は治らないから」
です。
前述のように、悪さをするのは「歯垢」です。「歯垢」は毎日歯にこびりつきます。
「歯垢」は歯ブラシで落とせます。というより歯ブラシで落とさなければなりません。
つまり、毎日ご自分で歯垢を落とすことが虫歯や歯周病の予防や、歯周病の治療になるのです。(虫歯の治療は歯医者でしかできません)
「歯石を取ること」よりも「自分で歯垢を毎日取ること」が重要なのです。
毎日の歯みがきがきちんとできて初めて、歯石を取る意味があります。
歯周病の治療では10回ほどかけて、お口全体をきれいにしていきます。
1回歯医者に行って歯石を取って終わり、ではあまり意味がないのです。
虫歯や歯周病はご自分では気づくのが難しい病気です。痛くなくてもほとんどの方に虫歯や歯周病は存在します。
「歯石を取って欲しい」ではなく、「虫歯や歯周病がないかチェックして欲しい」というスタンスで、定期的に歯科を受診することが重要なのです。
http://www.araident.com/
<関連記事>
歯周病治療の回数・間隔・期間
歯周病治療の基本的な流れ