«  2013年10月  » 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
2013年10月30日

歯がすごく痛むと歯医者に行って、神経を取る。よくある流れです。


すごく痛む歯はかなり虫歯が進行して穴が開いたりしているので、

本人も気付いていることが多いです。


気付いているにも関わらず、痛みが出るまで歯医者に来なかった。

そういう方は歯医者に行くのが怖いか面倒くさいという方だと思います。

仕事が忙しいからといっても、休みの日はあるわけですし、
今の世の中24時間年中無休の歯科医院もあるわけなので、
通おうと思えば通えるわけです。

ですからなんらかの敷居が高くて歯医者に来れていないということになります。


そんな方は、神経を取ってある程度痛みがおさまると通院しなくなってしまうことがよくあります。

痛くなったから歯医者に来たわけで、その痛みがなくなれば通う理由がなくなるからです。


しかし、通院中断は非常に危ない行為なのです。

その理由は2つあります。


1)根の先が膿(う)んでくる

神経を取ると、歯の中の神経の通っていた管は空洞になります。

そのまま放っておくと、その空洞の中で細菌が繁殖します。

その細菌は根っこの先端の外側、歯を支えている骨を溶かしてウミだめのようなものを作ります。

するとそこでウミがどばーっと出ると、中で圧力が高まって痛みが強く出ます。

その痛みは、歯医者に行っても1日ではおさまらないこともよくあります。


2)気付かないうちに虫歯が進行する

神経を取る治療をすると、根の先がうんだり、周りの歯ぐきがはれたりすれば歯は痛みを出しますが、

歯自体が虫歯になっても痛みを感じなくなります。

気付かないうちに虫歯が根っこの深いところまで進行すれば、

その歯は抜かないといけなくなってしまいます。


上記の2点のようにならないように、

何回かかけて中の掃除をして無菌状態に近づけ、

痛みなどの問題がなくなったら中に詰め物をして、

歯のなくなった部分を補うために土台を作って型取りをして、

最後に銀歯を入れて終わり。

一般的な治療の流れでいうと、奥歯だと5~6回かかります。


その5~6回だけでもいいので、神経を取った後は、歯科医師が終わりというまで

しっかり通ったほうが、ご自分のためになります。


なんとか時間を作って通うようにしてください。

https://www.araident.com/

「お任せします」 こうおっしゃる患者さんは少なくありません。

信頼の証?かもしれませんが、実はそう言われても私としては困ってしまいます。


この「お任せします」にはいくつか省略されている言葉があります。

「(歯のことはよく分からないから)お任せします(けど、私が考えうる範囲の治療をお願いします)」

が全文です。


歯のことはよく分からない、確かにその通りだと思います。一般の方には分からない部分はかなりあるでしょう。

分からないから任せる、その思考の流れは一見間違っていません。

しかし、歯の治療が1種類しかないのであればお任せしていただいてもいいのですが、
同じ虫歯の治療でも、削ってその日に白い詰め物をしたり、型取りして次の回に銀歯を入れたり、神経を取る必要があるかもしれないし、抜く必要があるかもしれません。
抜いた後の治療も、入れ歯やブリッジ、インプラントや移植など、治療法はさまざまです。

「最善の方法でお願いします」とおっしゃる方も多いのですが、実は誰にとっても最善という治療は存在しません。

なぜなら、お金がかかってもしっかり治したいという方もいれば、忙しいからとりあえず痛くなくなればいいという方もいるし、人それぞれ環境や考え方が全く違うからです。

インプラントは歯が抜けた後の治療としてはかなりいい治療ですが、費用が高い、手術が必要など、デメリットもたくさんあります。

手術が怖いという方、予算がないという方にとってインプラントは最善の治療ではありません。


歯のことはよく分からない、であれば分かるまで私たちが専門用語抜きでご説明をします。
実はちゃんと聞いていただければ、簡単に分かることばかりなのです。
ですから、聞く姿勢をもって荒井歯科医院にいらしていただきたいのです。

(けど、私が考えうる範囲の治療をお願いします)の部分に関してはなにがいいたいかというと、

例えば歯を抜いた後、「お任せします」と言ったとして、歯医者が何も言わずにインプラントの治療をし、気付いたら30万円請求されたとします。
誰もが怒ってクレームになると思います。下手したら訴訟ものです。
でも「お任せします」と言ってしまっているわけで、歯医者は自分が最善と思う治療をしたまで、なんの罪もありません。

つまり「お任せします」のあとには、(けど、私が考えうる範囲の治療をお願いしたいから、なにかあったらクレームつけますよ)という言葉が暗に込められているわけです。

これでは双方にとってよくありません。

予想外の結果に終わらないためにも、歯医者の説明はしっかり聞く、説明がないのであれば自分から分からないことを聞くことが肝心です。

しっかりと相談した上で、あなたにとって最善の方法を一緒に考え、その上で治療に入っていきましょう。

https://www.araident.com/

2013年10月25日

歯を抜いた後に抜けた歯を見た患者さんが、

「歯ってこんなに大きいんですか!」

とおっしゃることがよくあります。

私たちからしたら、まぁこんなもんですという感じなのですが、なぜこんなに驚くのかなと思っていました。
で、先日もしかしたらこういうことかと閃いたことを書かせていただきます。


大人になってから初めて歯を抜くという方は、抜歯の思い出は「乳歯」になります。

乳歯は下から永久歯が生えてくることによって、だんだんと根っこ部分がとけてなくなっていきます。

そして抜けるころには根っこがほとんどないので、頭の部分だけしか残っていません。

よって、非常にちっちゃい歯が抜けてくるわけです。

そのイメージがあるので、永久歯を抜いたときにかなり大きいと感じるのではないでしょうか。


歯医者が思っていることと患者さんが思っていることには差があることがよくあります。

今後は「歯ってこんなに大きいんですか」と言われるたびに、その差を感じ、

またその差を埋めるためにしっかりとした説明を心掛けようと気持ちを新たにしていきます。

2013年10月19日

かなり久しぶりの更新です。

虫歯がひどくて根っこだけ残ってしまった歯があったとします。
その歯はどのように治療するのでしょうか?

結論をいうと、かぶせものを入れて歯の形を作ります。
でも「かぶせる」といっても、根っこだけしかないのでかぶせることができません。

かぶせものを入れるための土台部分を作る必要があります。

その土台部分のことを「コア」といいます。

コアにはいくつか種類があります。

<保険適応>
・金属でできたコア
・プラスチックでできたコア

<保険適応外>
・ファイバーポストを利用したコア

保険が効くものは安くはすみますが欠点もあります。

金属のコアは固すぎて、歯が割れてしまう原因となります。
割れた歯は抜かないといけません。

プラスチックでできたコアは強度が弱く、コア自体が折れてしまいやすいです。

その二つの欠点を補うのがファイバーポストです。

<ファイバーポストの利点>
ファイバーポストとは歯の固さに近い材質の芯棒です。
これを入れてプラスチックのコアを作るので、できたコアはファイバーコアといいます。

固すぎないため歯が折れるリスクも下がります。

またプラスチックを補強してくれるのでコア自体も折れにくくなります。

<ファイバーポストの欠点>
じゃあ、全部それでやればいいじゃないか、となりますが実はそうもいきません。

現在の保険制度には混合診療の禁止というものがあります。
ファイバーポストでコアを作った歯の上にかぶせるものは保険外のものでなくてはならないのです。
保険外のかぶせものは医院にもよりますが、5万円~かかってくることが多いです。

ファイバーポスト自体は5千円~1万円のことが多いようですが、そのあとの出費を考えると、
どうしても歯にとって優しくない保険の土台を選びがちです。

もちろんかぶせものも歯医者の金儲けのために高い金額になっているわけではなく、
手間をかけて作る技術料や、技工代、スタッフの人件費など全てを考えた金額になっており、
歯のことを考えればそちらを選んだほうがいいのですが。。。


TPPにより混合診療の緩和が起きるということが言われています。
様々な問題もあるようですが、ファイバーポスト問題に関しては緩和が起きてくれると、
患者さんにとって嬉しいことになりそうです。


当院ではファイバーポストは1歯5千円で行っております。

https://www.araident.com/

« 2013年6月 | メイン | 2013年11月 »

Powered by
本サイトにて表現されるものすべての著作権は、当クリニックが保有もしくは管理しております。本サイトに接続した方は、著作権法で定める非営利目的で使用する場合に限り、当クリニックの著作権表示を付すことを条件に、これを複製することができます。

引っ越し

荒井歯科医院 院長 荒井淳次 荒井歯科医院
院長 荒井淳次

http://www.araident.com/

【経歴】
2004年
 東京医科歯科大学
 歯学部卒業
同年
 歯科医師免許取得
 東京医科歯科大学歯学部
 附属病院義歯外来専攻生
2006年
 同外来医員に就任
2008年
 同外来非常勤講師として
 週1日勤務
 荒井歯科医院勤務開始