歯間ブラシの使い方 荒井歯科医院(飯能市・日高市・入間市)
「歯間ブラシで出血はOKだけど、傷つけないようにする。という加減がわからず、教えて頂きたいです(・∀・*)ノ」
というご質問をtwitterでいただきましたので、お答えになるか分かりませんが書かせていただきます。ご質問をいただいた方はある程度歯科の知識をお持ちだとは思いますが、ご覧の皆様にも分かりやすいよう、基礎的なことも書かせていただきます。
まず歯間ブラシとは持ち手の先端についた針金のまわりにブラシがついているもので、
いわゆる糸ようじやワンタフトブラシとは違うものです。
使い方は、歯と歯の間の部分などに外側または裏側から入れて、歯と歯の間を磨くようにします。
糸ようじとの使い分けですが、
若くて歯ぐきが下がっておらず、歯と歯の間にあまり隙間がない場合は
歯間ブラシを無理矢理入れると逆に歯ぐきが下がってしまいますので、
糸ようじを使ったほうがいいです。
加齢とともに、もしくは歯周病の影響によって歯ぐきが下がってくると隙間が大きくなるので、
歯間ブラシのほうが効率よく歯と歯の間に残った歯垢(細菌のカタマリ)を除去できます。
歯間ブラシには太さにサイズがありますので、隙間の大きさに合わせて使用すべきですが、
ご自身では分からないと思いますので、歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。
目安としてはきつくて入りづらいと感じるようだとちょっと太いと思われます。
さて、ではご質問の、
「歯間ブラシで出血はOKだけど、傷つけないようにする。という加減がわからない」
です。
まず、歯間ブラシをはじめて使う方は、おそらく歯と歯の間の歯ぐきが炎症を起こしていて、
血が出やすい状態になっている可能性が高いです。
なぜなら普通の歯ブラシだけでは歯と歯の間の歯垢(細菌のかたまり)は落とすことが難しく、
その細菌が毒素を出して歯ぐきにダメージを与え、炎症を起こすからです。
炎症を起こした状態では、歯科のエアーをかけるだけで出血することもあるほど、弱い状態になっています。
なので歯間ブラシがちょっとあたっただけでも出血してしまい、歯間ブラシが真っ赤になってくることでしょう。
しかし、毎日歯間ブラシを使っていると毒素を出す細菌がいない時間が増えるため、
歯ぐきの炎症がおさまってきますので、出血もしにくくなっていきます。
早いと1週間ほどで効果がでてくるでしょう。
以上の出血は病的な出血です。
ただ、健康な歯ぐきでも出血することがあります。
針金にブラシがついたものなので、その先端が歯ぐきにささってしまえば出血してしまいます。
奥歯の間に使うときなどは入れる方向が難しく、歯ぐきを傷つけてしまいがちです。
これはもう練習あるのみとしか言えませんが、コツをつかめば傷をつけにくくなると思います。
まとめます。
ご質問の「出血はOK」というのは、炎症を起こした歯ぐきなら出血は仕方ないということです。
だんだん出血しにくくなっていきます。
でも入れ方によっては歯ぐきを傷つけてしまうので、そこは練習をして傷つけないようにしたほうがいいということです。
細菌は毒素だけでなく、酸を出します。その酸が歯を溶かすのが虫歯です。
大人の虫歯は大体が歯と歯の間から始まり、気づかないうちに歯の中のほうで大きくなって、
いずれ痛みを出します。
歯間ブラシは歯周病の治療・予防だけでなく、虫歯の予防にもなります。
歯間ブラシや糸ようじを使用して、歯と歯の間から起こる問題を治療。予防していきましょう!